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黄金のレガシーへのいまさらながらの感想

執筆者の写真: Nier KatzeNier Katze

はじめに


黄金のレガシー、いろいろ不評が多めだったりしているわけですが、わたくし的には結構楽しんでおります。


たぶんあれですね。わたくしは主に遊んでいる分野が


 ①零式・極

 ②自キャラのSS撮影


なので、黄金にあんまり不満がなかったんですよね。もちろんストーリーが好みかと言われたらそんなに好みではなかったのですが、シリーズものってこういうのありますからね。なんとなく好みにあわないなーっていうやつ・・・。


ただこう、不評だったり肯定派だったりのご意見をみていて、あ、これロックバンドのあれだ!っていう共通点を感じることが多くて・・・。


ロックだいすきおじさんが若いころから何度もみているアレです。



方向性が変わるロックバンド


だいたいロックバンドって人気が出るタイミングのアルバムってあるんですよ。いわゆるブレイクするアルバム。ものすごく単純に書くとこんなかんじの経過をたどります。


 ・1st バンドのやりたいことや初期コンセプトがつまっているアルバム。粗削り

 ・2nd 基本的には1stのコンセプトの延長。1stのファンも安心して聴ける

 ・3rd 1stからの路線の完成度が高まる。このへんでブレイクすること多い


ここから、この路線を忠実にたどり続けるケースも多いんですけど、結構な割合でここでなんか変なテイストをいれてきたり、激しさ売りのバンドなのにバラードばっかりのアルバムだしてきたりするんですよね。


軽快なおしゃれポップバンドがいきなり民族音楽バリバリの謎のアルバムだしたり。


メイクごりごりのビジュアル系バンドがなぜかストリート系ゴリゴリのパンクバンドになったり。


若者の今をうたっていたバンドがなぜかスピリチュアルにはまって宇宙的メッセージが詰め込まれたカオスなアルバムだしたり。


どんなバンドでも、かならずこう「後から見たらなんだこれってなるへんな作品」があるんですよ。


クリエイター本人たちがおかしくなるパターンもありますし、レコード会社の意向でおかしくなってしまうパターンもあります。割合としては半々くらいな気もします。



困惑するファンたち


さて、こういうなんだかよくわからない作品を突き付けられたとき、ファンはどうなるのでしょうか。



初期からのファンなんかだと、このへんでお決まりのセリフがあるんですよ「売れて変わっちゃった。」みたいな。


作品それ自体じゃなくて、メンバー自体の人間性とか容姿についているファンなんかだと、そもそも作品の方向性とかあんまり関係ないので「〇〇くんのこと悪く言わないで!!」みたいな意見がでるんですよね。


わたくしもわかいころはバンドをやっていたので、この辺のファンの方々とはいろいろお付き合いがあったのですが、このへんで結構なファン同士の衝突が起こります。

ジャンルにもよるんでしょうけど、3人寄ったら派閥争いのバンギャ勢なんかだとそれはそれはすさまじい争いが勃発します。SNSとかない時代でもものすごい争いだったので、今なんかもっとすさまじいですよね。こわいこわい。


はたからみていると、「無難におんなじ路線でいけばよかったのになあ」って思ったりもするんですけど、そういうバンドって結構ながーいこと続きますね。高望みしないバンド。名前だすとちょっと荒れそうですけど。


黄金のストーリーもちょっとこういうテイストある気がするんですよね。作り手側の努力がちょっと空回りしちゃった感。クリエイターの外からへんな干渉があった感。


それゆえに、なんかファン同士が大衝突して大荒れしてる感じがあります。



黄金のレガシー


黄金のレガシーって、いわゆるバンドで言う「方向性を変えたアルバム」なんですよね。

構成される要素のうち


 ・音楽

 ・戦闘

 ・ストーリー

 ・グラフィック


があるとして、音楽と戦闘は純粋にアップグレードしてるわけです。面白かったし、新鮮な演出も多かった。実況とかもすごいよかった。主観的な意見になりますけど。ピクトマンサーばっかり優遇して・・・みたいな意見もありますけど、別にいなけりゃいないでクリアはできます。


物議をかもしたグラフィックのところは、グレードとしては向上してます。解像度も高くなり、うちのミコッテはたいへんかわいくなったので個人的にはまったくぜんぜん問題ないのですが、造形がやはり多少なりとも変わってしまっているので、受け入れられないひともすごいたくさんいますね。これって難しい。ものすごく細かいところが気になって気になってしょうがない人もいますし。人間の顔ってちょっと変わるだけですごく印象がかわってしまうことも多いし。

顔はいじらないほうがよかったのかもしれないですね。そう考えると。


手足の関節とか首がでこぼこしてるとことかそういうとこをいじったほうがよかったかもです。


原神とかボディーはごりごりにつかいまわしですけど、顔のバリエーションだけかえてそれでちゃんとキャラ別の書き分けができてますからね。それだけ顔って重要ってことです。


ライティングの構造が変わったのもけっこう大きくて、グレードアップしてるのは確かだし、よりきれいなSSが撮れるようにもなっているのでわたくしは大満足でしたが、きれいな写真をとるためのテクニックがだいぶ変わった気がします。あんまり大きな声では言えませんがこれGshadeなんかは最初ほとんどのプリセットがそのままでは使えない状態になってたんじゃないですかね。(わたくしは使ってません)あんまりそのへんに詳しくないひとだと、「いままでつかえてたものがつかいものにならないようー;;なんか顔かたちもかわってるー;;」ってなっちゃったんじゃないかと。


ただ、グラフィックスパイプラインや顔のポリゴン構造など、いわゆる業界のデファクトスタンダートに近づけてアップグレードしないと、開発環境がガラパゴスになってしまって人も集めにくくなってしまったり、汎用的な開発ツールがつかえなくなったりしてしまいますので、まあこのへんはそのあたりの事情もあったのかなあと。わたくし的には理解できなくもないので、がんばって!っていう感じでした。いろいろ。




※これはうちのみこってですが、空気感とかきれいになったし、顔の印象もかわらずですね。問題なし。



そして最大の問題というか、大きく評価を変動させてしまったのがストーリー。


多分ですけど、いわゆる多様性要素とスクエニがやりがちな逆張りぐせが混ざってしまっておかしなことになってしまったんじゃないかなあと個人的には思うんですよね。


・獣人、ミコッテ、マム―ジャ族など、種族を超えた「あたらしい家族」の形を描くぞ!

・主人公はありきたりなイケメン美女じゃない!獣人!

・ふつうは我が子がなんのかんのかわいいってなるよね?でも違うから!


この3要素がとてもとても大きい。実は黄金のメインのストーリーラインって全然筋として悪くないんですよ。


・ある王国の王様が、昔仲間たちととんでもない遺跡(古代のハイテクノロジーの文明)をみつけた。

・そこでなんか別世界の子供をあずかった。

・別世界の都市は理想社会を築いているけど、そのバックグランドにはいびつな構成がある

・いびつな構造を維持するために、いろんなものを犠牲にしなきゃいけない

・王位継承戦が進む中、別世界との交流がはじまる

・主人公たちの世界と衝突がうまれる


みたいな。この「黄金のレガシーの文明の衝突」ってすごい面白いんですよ。SFなんかでも宇宙の別文明との邂逅や衝突って名作が多い。ここに世界の間で時間の流れが異なる要素(たぶん相対性理論でいう時間の概念を取り入れてるのかな?)もまじって、ほんの一瞬で30年ものすれ違いが生まれてしまったり。


これをふつうに書いたら別に問題なかったと思うのですが、ここに上記の多様性要素と逆張り要素を混ぜたもんだから、なんかちぐはぐな感じになってしまったと思うんですよね。


わたくしはよく料理をするのですが、いわゆる「それを入れたら全体のテイストがそれで支配されちゃう」調味料とか素材ってあるんですよね。いわゆる多様性要素とか逆張り要素ってこれにすごい似てるんですよ。


黄金のレガシーのいくつかの要素がすごいこれにあてはまってて、おいしい素材なのにそういう素材とか調味料を投入したせいで全体の味が悪いんですよね。多分「あたらしい家族の形」「多様な家族の形」っていう多様性要素を混ぜたかったんでしょうけど。


スクエニの多様性の取り入れ方って、ちょっと厳しく言うと全部なんかとってつけたような多様性なんですよ。16でもそうだったんだけど、なんか物語に必要ない同性愛要素とかを無理にくっつけるからすごい違和感ある。味噌汁にカレー粉いれるみたいな。カレーの匂いがつよすぎてへんに印象だけ残るっていうか。

あきらかになんか「会社が多様性多様性うるさいからしょうがないけどくっつけるわ」みたいなかんじ。たぶんこういうことを言われたらむかっとすると思うんですよね。「俺らだってつけたくてつけたわけじゃないわ!!」って。だからちょっとかわいそう。


あと家族の形のかきかた。マムージャの王様がわが子のゾラージャじゃなくて養子のウクラマトを推すっていうのになんかぜんぜん説得力がないんですよ。これはスクエニの悪癖ですね。逆張りがほんと好きなんですよ。しなくていい逆張りをするんですよね。


ちょっとFFシリーズの話をしますけど、いわゆる「主人公が最期に力尽きる、死んじゃう、いなくなっちゃう」っていうエンディングがあるんですよね。いわゆる「ありきたりなハッピーエンド」に対するアンチテーゼ、逆張りとしてあるんですけど、FFXですかね、あれがほんと感動的なこれだったんですよ。物語として必然性のある主人公の死というか消滅というか。すばらしいエンディングだった。のですが・・・


これにちょっと味をしめたというといい方悪いんですけど、ちょっと下記の一覧をみてください。


FFX 主人公消える

FFXII 主人公消えないけどなんか空気

FFXIII FFXIIIはよくわかんないかんじのハッピーエンドだけどXIII-IIでじつは消滅

FF零式 みんな死ぬ。(正確にいうとなんか微妙なのだけ生きてる)

FFXV 主人公死ぬ

FFXVI 主人公生きてるのか死んでるのかよくわかんない。におわせ


めっちゃ多いんですよ。むしろもうアンチテーゼというか逆張りでもなくなってて、お決まりパターンみたいになってる。FFXでたの2001年ですよ。いまは2025年。そうなるともうスクエニって4半世紀にわたって主人公が死んじゃう、きえちゃう、もしくはそれに類する形のお話ばっかりFFでやってるんですよ。ゲームとしてはどれもよくできてて面白いのに、なんかここだけすごいワンパターン。「またこれか」っていう感じ。一時期多かった恋人が病気で死ぬ話みたいな感じ。


これは主人公の生死の話ですけど、そのほかもへんなところで逆張りしたがるんですよ。必然性がない逆張りを。


我が子とウクラマトとコーナに王位を争わせるっていうのはいいと思うんですけど、途中明らかにウクラマト推し。公平さが全然なくないですかあれ。いいんですよ内心ウクラマトを推してるなら推してるで。でも途中あきらかにひいきしてますよねあれ。公平じゃない。


当然我が子がかわいいよねっていうところに逆張りしたのはいいんだけど、「逆張りしちゃうもんねー」っていう思いだけで、実際に説得力がないからずーーーっと見てる側に違和感がのこっちゃう。


勝手な推察になるんですけど、これはなんか14の開発陣とかストーリーのレベルが落ちたというよりも、「こういう流れでいこうね」っていうメインのストーリーライン(全然悪くない)やつに、


「今はこういう多様性要素いれないといけない」

「主人公格がイケメン美女だと海外で怒られる」


みたいな事情がかみあって、なんかしょうがなくとってつけたんじゃないかっていう気がするんですよね。そこに生来の逆張りの病からへんなテイストまでまざっちゃって・・・。


ロールクエストなんかも、全体のテイストはそんなに悪くないのに、一部にちょっと人の死の要素が入っているがために、コメディタッチで締めたいと思っている意向はわかるんですけど、なんか「人死んでるのに・・」みたいな違和感が残るんですよね。全体のバランスが悪い。これもライターがどうこうというより、別々の担当でつくったものを合わせていく過程ですれ違っているのではという気がします。


なのでわたくしはあんまり開発陣の個々人を責める気になれないんですよね。いわゆるポリコレ押し付けの流れや開発の統合性の悪さからそうなったんじゃないかという気がするので。いろんな意見や干渉の消化がうまくできていない。要素要素ではがんばってる感をちゃんと感じるので。


バトルや風景やグラフィックもレベルガタ落ちとかなら質が落ちた、開発力落ちたと思うんですけど、そっちはぜんぜんそうじゃないんですよね。ちゃんと力入ってる。面白かった。


でもストーリーのところどころはあきらかになんかへんな干渉が入ったんじゃないかな?というところです。



ロックバンドとの類似性


これ、結構あるんですよね。ロックバンドもいわゆる音楽ビジネス側の人たちからの変な干渉がすごい多い世界なので。


クリエイターがやりたいことに変な口出しして、なんともいえない謎の方向性に行ったりするんですよ。黄金のレガシーもそんな感じがします。


ただ、ロックバンドもそうなんですけど、本人たちの力量や才能、熱意っていうところがあれば、なんとか軌道修正したり、口出しをうまく消化して生き残っていく人たちもすごい多いんですよね。


FF14の開発陣、ストーリー開発の力量、才能、熱意ってそんなに落ちてる感はしないのです。ただすれ違いとか、から回りがちょっと目立ってる。ロックバンドでいう4枚目5枚目くらいのアルバムでよくやらかされる微妙なアルバムになってしまっているのです。


大きな問題としては三つ。


1・グラフィックアップデートに伴う不満

2・ストーリーに対する不満

3・個々の要素の統合性の悪さ


なんじゃないかなあと思うのですが、まあ1は時間が解決するんじゃないかなという気がしますので、問題は2と3ですね。


わたくしみたいなストーリーが残念でも戦闘がおもしろくてきれいなSSとれたらそれでいいやっていう層なら別にいいんですけど、もともと14ってストーリーで売ってきたところが大変大きなタイトルなので、この部分をもうちょっと改善するといいのかなあと。


アトラスのメタファーなんかだと、多様性の押し付け問題なんかをすごいうまく処理してますし。


なんかそういう干渉に対する処理の仕方というか、飲み込み方を上手にやることですね。



統合性の悪さはもうディレクターのおしごとなので、よしだがんばれというかんじ。



点数は・・・(まとめ)


前に述べてる通り、わたくしは戦闘とSSメインで、運がよくというか私のミコッテはかわいいまんまだったので、個人的な点数では80点くらい。


クリエイターのやることに変な干渉をしない。よしだはチェックがんばれ。逆張りはほどほどに。


次の拡張に期待しております。(次のパッチにも。)















 
 
 

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